緩やかな風が吹く中…旅人は 小さな丘の樹の
根元に腰を掛け 小さな村で買った
パンを取り出し 千切って口に放り込む…
ふと…上を見上げると 揺れる 樹々の間から
見える 元気な 太陽を見ていたら…
故郷の 年老いた 父と母を想い出した…
”元気でいるだろうか” 目頭が 熱くなって
泪が 頬を伝う あの母の言った 言葉が
耳の奥で 響いた…旅人は 泪を手の甲で
拭い…食べかけの少し大きめのパンを
無理やり詰め込んだ…
樹の持つ 温かな優しさが 家族を想い出させて
くれて 旅人は感謝をした…手で 木に触れ…
”ありがとう”と心で呟いて…旅人は小高い
丘をゆっくり 道に向かって歩いて行った…
空をゆっくり 旋回する鷹が 鳴きながら
旅路を 見送ってくれた…
詩人〜今人…旅人…
父や母を 旅人は想い出しました…
皆さんの心にも 父と母が浮かびます様に…
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