涼やかな虫の音鳴く夜に ふと
父のやせ細った か細い体が 目に浮かび
居た堪れなくなっていた
気持ちがどこかで 決意を始めている
来るべき日に私は
父に 一体なんて声をかけるだろう
あの 痣だらけの破れても
おかしくない 皮膚が私の脳裏をかすめる
知り合いの お年のいった方を介護した時に
重い体重の方だったから 少し抱えるのに
力がいった
目の前で 手の皮膚が 薄くなっているのを
知らずに力を入れて裂けてしまった…
あの光景が脳裏に焼きついていた
父もあのような体になっていた…
でも 温泉で 父の背中を洗い 流しながら
心の砂を水に流すことができた
手を引っ張りながら 私の心が
親にしてきた 辛い気持ちを 強く握りしめ
恩返しをするのだと 私は心した
詩人〜今人…
私は この先も父と母と一緒に秋を感じたい
いつかくる日は今は考えないようにしよう…
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