周りに 緑のない 街の中の建物に
一本の樹を植えている…
幹は両腕を回したくらいで…
高さは二階建てくらい…
それぞれの葉は…太陽の焼ける様な…
日差しを分け合いながら
優しい風に 揺れている…
よく見ると 凄い数の蝉が 列をなし
幹に止まっている…そして…
それぞれが…しきりに機械音のような
鳴き声を上げている様を見て…
蝉も 緑が欲しいだろうに…
樹液も 吸いたいだろうにと…
その あまりに泣く姿を見て…
赤ん坊にさえ 見えて…
母親にすがりつく様な…姿が浮かび…
切なくなってしまった…
詩人〜今人…
街の中の樹は 静かに佇んでいる…
私には すがりつく母親に見えて
仕方がなかった…
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